【コラム】育成年代を指導する大切な事 〜チーム前代表より〜

 クラブ前代表の菅野です。1981年セイント81創立からSFCジュニオール現在まで、途中10年程クラブから離れましたが、指導、運営に、30年以上携わってきました。
 当クラブの40年以上の歴史は、創立から現在まで順風満帆ではありませんでしたが、クラブ運営に携わった関係者皆様のサッカーに賭ける情熱で乗り越えてきました。
 私もこの間、育成年代のコーチとして、子供たちの成長を見続けられる喜びを感じながら、子供達にサッカーの楽しさを伝え、子供達が自分自身で考え判断し、責任をもって行動する選手として自立するためのサポートを第一に指導してきました。
 今回コラムの記載の機会をいただきましたので、子供を指導するうえで大切なこととは何か? 私も当初はいくつか後悔をしたこともありましたが、経験から学んだことを記載したいと思います。

○少年サッカーは楽しくなければなりません、子供たちにとっては遊びだからです。子供がもっと上手くなりたい、試合にも勝ちたいと思うことは大切なことですが、大人達が上手くなることや、試合に勝つことを押し付けてはいけないのです。小学3年生以上になると、指導者や保護者はサッカーの楽しみは試合に勝つことだと決めつけて、子供たちに大人の思い通りにプレーさせようとしていることが多くみられます。試合で勝つことが目的なことは否定しませんし、子供たちが勝ちたいと思うことは賛成です。ただ、指導者が勝つことを強く求めてはいけません、負けた時に子供以上に悔しがる指導者をいまだに見かけますが、試合に負けることは悪い事でしょうか?少年サッカーは結果より頑張っている過程を褒めることが大事なことです。勝つために頑張ることが大切と子供たちが気づいて伸びるのです。指導者が勝ちたい、負けたくないにこだわると現時点で出来る子だけしか試合経験が積めなくなり、出ていない子との差が広がる一方になります。少年サッカーでは勝ちにこだわる必要はありません、優れた選手になることは誰にも可能性があるので、誰でも同じチャンスを経験させることが指導者の役割です。
 また、サッカーを楽しむためには勝つことも経験させなくてはなりません、トレーニングを通してスキルを身につけて上手くできたという成功経験が必要です。努力する過程が大事、勝つことだけでなく、出来ないことを気づかせ、どうしたらうまく出来るか考えさせることが大切です。また、県や全国大会につながる試合はチームとして目標を立てて挑む、友達、仲間をお互いにリスペクトして同じ目標に向かって頑張ることを経験させることも指導者の役割です。

○少年サッカーは成長の過程です。身体、精神共成長の個人差が大きくあります。同じトレーニングをしても伸び率は大きく違います、そのことを十分に理解して指導することが大切です。誰でもが可能性を秘めています。クラブの卒団生にもプロで活動している子もいますが、私の実体験でとても印象に残っていることがあります。それはある子が3年生のころ、大腿部が十分に上がらずに、走ることが得意ではなかったのですが、サッカーが好きでクラブに入会しました、練習はみんなと一緒に、むしろしっかり時間をかけて行っていました、この時点では上達具合はどうしても遅れていました、TRMの時は同じチャンスを与えようと、比較的楽なポジションで試合を経験させました。ミスも多くありましたが楽しそうに頑張っていました。卒団後にサッカーを続けているか気になっていましたが、15年位たった頃に同級生からサッカーのコーチになって活動しているということを聞きました。彼はクラブ卒団後もサッカーを続け、より好きになり、身体も成長し鍛えることにより強くなり、人一倍努力して指導者になったのだなとうれしく思いました。このように、少年サッカーは誰でもが可能性を秘めているということを認識して指導することが大切です。
 何度も言いますが、少年サッカーでは勝ちにこだわる必要はありません、厳しい指導も必要ありません。少年サッカーは子供の楽しみです。楽しいサッカーで自立性を伸ばす、その手助けをするのが少年サッカーの指導者です。私は指導者として携わっているうちは子供たちのために学び続けしっかりサポートしたいと思います。
 クラブチームビジョンはサッカーで感動、感激を与え、感謝し、人生が楽しめる大人になろうです。

今後もクラブコーチ、関係者の皆さんと努力していきたいと思います。これからもご声援、ご協力お願いします。

                                                    以上